マーケット
実物資産四半期レポート:2024年4月過去20年間にわたり、従来の銀行を追い越して、コーポレート・ローン最大の貸し手として台頭しているのがノンバンクです。
過去20年間にわたり、従来の銀行を追い越して、コーポレート・ローン最大の貸し手として台頭しているのがノンバンクです。この状況は、ミドルマーケット市場の中堅企業において特に著明であり、イールドを追求する投資家もプライベート・クレジットへの投資を通じて、このトレンドを追随してきました。
2022年から2023年初めにかけては銀行融資の緩やかな増加が確認されていますが、金利上昇や銀行破綻を背景とした銀行貸出の厳格化を受けて、このリバウンドは一時的なものになる可能性が高いと見ています(図表1)。
2022年の年末時点における世界のプライベート・クレジット市場は1.4兆ドルと、米国ハイイールド債市場と引けを取らない規模で、今後は2027年までに2.3兆ドルへと成長する見通しです1。
資産クラスとしてのプライベート・クレジットの魅力は明らかです:2022年末におけるイールドは、ハイイールド債券が8.9%であったのに対して大型LBOローンは12.4%でした3。強固なインカム以外にも、ポートフォリオ分散や変動金利型ローンというインフレに対するプロテクションの効果が期待できます。
同資産クラスへのアロケーションを検討している投資家においては、主なプライベート・クレジットの2種類「スポンサー付き」と「ノンスポンサー」について、それぞれの特徴や利点に関する理解を深めるべきでしょう。大半のダイレクト・レンダーは、スポンサー付き/ノンスポンサーのどちらかを専門とする傾向にありますが、投資家は両方を手掛けるマネージャーを選択することで、投資機会の幅やリターン向上の可能性が広がり、ポートフォリオ分散の恩恵が得られると当社では考えています。